音韻論では、音を子音と母音に分類し、音節は子音の塊である出だしに始まり、母音の塊である核を経て、再び子音の塊である結びで終わる音の塊とする。また、中国語を含み、多くの言語において核は必須部位とされる。「国士無双」と「行雲流水」を例にすると、各音節は次のように構造化される。
一方、中国の音韻学では、音節を声母と韻母に分け、韻母をさらに韻頭、韻複、韻尾に分割する。声母は音韻論の出だしに同じ音節先頭にある子音となる。韻母が核心部に相当し、核を1部位1要素になるように韻頭、韻腹、韻尾に細分した形となる。また、音節構造を簡単にするため、結びが韻尾に含まれる。
さらに、音韻学の分類では韻頭と韻腹の両方に現れうる、、を、韻頭に相当する介母に統一した音韻構造も考えられている。その上、こうして確立した介母は、音腹よりも声母との結びつきが強いことから、音節を声母と介母からなる声介合母と残りの韻母に二分する。例えば、の場合、を発音する時点で既に唇がの形になっている。とが同時に発音され、はこれらに続けられる。
猫音韻は、教科書で教えられている音韻構造に不満を感じ、より規則性の強い音韻構造を求めた結果、声介合母と似ているが、音素数がより少なく、規則性がより強い音韻構造に辿り着いた。
猫音韻では、音節を起承転結に例え、起母、承母、転母、結母に4分する。それぞれが声介合母の声母、介母、韻腹、韻尾に対応し、同様に、音節を起母・承母を合わせた上母および転母・結母を合わせた下母に2分する。声介合母との主な違い以下の2点である。
この違いにより、起母は声母に比べ7音素少なく、転母が介母より2つ増え、転母が2つにまで減る。また、各部位が次のように纏まった役割を持つようになる。